Kiev-5

KIEV-5 1965-1973 + Film size : 35mm, 24x36
shutter / Vertical "Contax-Kiev type" B-1/2 to 1/1000s.
Lens / Herios 94 50mm f1.8(Jupiter 8Nb f2.0) 980g (950g)

-1- KIEV-5とはどのような位置にあったのだろう ?

 

ソ連35mmレンジファインダーカメラの旗艦にして最高機種

キエフ-5を知った当初、ネーミングからもKIEV-10、15のあの独特な扇形のシャッターを搭載したレンジファインダー機なのか?と思いこんでいたのだが、実際はオーソドックスなコンタックスタイプのシャッターだった。
つまり従来のキエフ4a、4に新機構のファインダーを載せ換えたストレッチモデルで、リニューアルが施されたモデルであった。

大まかに特徴を上げるならば、レバー巻き上げ、クランク巻き戻しにになり、シャッターに連動しないセレン露出計付きと言う仕様で、最高速は1/1000までのシャッターに改められている。
倍数系列ではなく1/1250は省かれただけのようで、そのまま4AMに続くのだろう。

この進化で、従来のキエフから確実に便利になった反面、マウントの変更で旧来のゾナータイプレンズが使えなくなってしまったこと、露出計と大きなファインダーのためにサイズが大きく重くなってしまったことなどリニューアルの弊害(といっていいかどうか・・・)もあるものの、新しいファインダー旧キエフに較べると明るく快適、これを補ってあまりあるというわけだ。

以下のように並べて見ると、イイとこ、悪いとこが混在だ

◆巻き上げ、巻き戻し
クランクとレバーでらくちん/しかし、巻き上げは故障多し
◆◆露出計付き
やはりこれはなにかと便利/しかし大きく重くなった(これは一概に悪いとは言わないが...)
◆◆◆マウント変更
旧ゾナータイプ50mmは使えなくなった。ジュピター-3 は忘れてくれと言うことらしい。
◆◆◆◆大きなファインダー
大歓迎なのだが.../しかし、構造が変わったため、旧キエフにはなかった(無いわけではないが)距離計ずれがでるようになった。

キエフ 5 はマウント変更に近い大きな変更があった

このリニューアルの弊害というのは、以前のモデルに付いていたゾナータイプの標準レンズがキエフ-5 には使えなくなったことだが、ジュピター-12、11,9など外爪バヨネットの交換レンズは今まで通り使うことが出来る。 以下参照

fig-1
JUPITER-8などのヘリコイドがないレンズは無限に固定される。

fig-1:に見られるように、旧来のゾナータイプの標準レンズはマウントにはめることは出来るが(といっても填(はま)っているだけ、ぽろりと簡単に外れてしまう、危険)無限遠固定になり実質使用不可だ。

fig-1 : 余談ながら、ちゃんと無限が出ているかどうか確かめるのにエキザクタのウェスト・レベルファインダーを使ってみたが、エキザクタのものはコンデンサーレンズとピントグラス付きで、ざっと確かめて見るには便利。
高倍率のファインダーもあればもっと確実に確かめられるでしょう。

キエフ-5 専用のレンズは別掲のページがあるので簡単に、標準レンズばかり3種類あり、外側バヨネットマウントに装着するやや大型のレンズでヘリオス-94、一種とジュピター-8nbがデザイン違いで2種ある。
これらのレンズは以前のコンタックスタイプのキエフには装着できず互換性が無くなっているのが残念。

ジュピター-12、11,9など外爪バヨネットの交換レンズは今まで通り使うことが出来る。

ウチの手持ち限って、と思ってもらっていいが、2本のジュピター12が連動しなかった。
この、「距離計に連動しない」と言うのはキエフにはよくあるという話も聞くが、キエフ-5ではじめて経験した。

この不具合は「はまり」が悪いようで、ヘリコイドを回していると途中でスカスカになり連動系からはずれてしまうようだ。

まず、60年代のタイプが連動しなかったので新しめのモノがよかろうと思い、黒塗りの85年製を入手したがやはりダメで、これはレンズ購入先のウクライナ、アレックスフォトで修理(と言ってもレンズの連動部分を削る事で解決するようだ)されてようやく連動させることが出来た。

オークションで具合の悪いモノが来てしまったときは、例えばウクライナまではレンズ一本くらいなら宅急便程度の負担で届くので、もし折り合いが付くならどんどん送り返して調整してもらった方が精神衛生上にも良いと思う。

以下はものすごく余談で、こんな事を書いちゃって自分的にもどうだ?と言う気もするが...。
アレックスフォトは一時たくさんのIDを使っていたようで怪しむ声もあったが、あそこは親切、いいカメラ屋だ。
しかしその分厳しいらしく一年くらい前にebayで落札したのを忘れて、そのまんまにしていたらアクセス禁止になって入札出来なくなってしまった(´・ω・`)
なにお〜、などとムカついたが、よく考えたら
よく考えなくても自分が悪いのであった。ち
たぶん、その忘れていたアイテムはフェド4の最初期型で20ドルくらいな気がする。
うーん、なぜそんなもんに入れたのかも覚えていないが(無責任な、...シカもいらんものを) しっかりツケはきていたのだ。
たまに「う、これは欲しい。」というのが出るのだが、入札できないのでセラーを見るとアレックスフォトだったりする。
...かえっていい物欲抑止力になってくれるが(。_゜)\☆バキッ


しかし結構難儀なカメラではある。
この辺りのマウント相性や合致の説明は、もしかするとキエフ5付属の取り説を読めば詳しくでていそうな気もするが、近い国の言葉ほど判らないものだ。
キリル文字はアルファベットすら満足に読めないのがほんとうに残念。
今読めるようになりたい言語第一位はキリル!

それにしても...、「クランク巻き戻し、レバー巻き上げ」などと改めて書いてふと思ったが、1965年当時をふりかえっみても驚くほど時代錯誤なカメラではある。

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