fed macro 50mm f3.5 + fed1:3,5 F=50mm/Industar-10 + 28mm f4.5 + fed1:2 F=50mm

fed macro 50mm f3.5

*このフェドとめがねは試写とは関係ありません。

フォーカスの検証はいつものように「緊縛式実視検査器 フ-2号」を使い、...つまりfed-2をバルブにして、一眼レフのファインダーで覗いた。

検証といってもマウントのフランジバックが異なるレンズとボディーなのだが、どうしても近接での性能を見たくてめくら打ちで撮るよりは、とライカマウントで無理矢理使ってみることにする。

 

 

数mの距離でのスナップなら十分OK

使い方はちょっと外道だが、こんな使い方も出きるということで参考程度に。

長らくこのレンズはフェトで実写する気力が起きず死蔵しかけていたのだが、ライカマウント機で試写 を行った結果は御覧の通り「よく撮れます。」の一言。

これは現代でも十分通用する能力と思う。
使い方はまともではないが
「とにかく使えりゃいいや」だ。
ライカマウントでバシバシ撮れる貴重なマクロを再発見できた。

このレンズ、Lマウントでは、鏡筒を最も縮めた状態でも無限遠は出ない。
最小に絞っても遠景はピントが来ないので景色は無理だが、絞り込んで使えば2mくらいから十数mまでピントが合い、数mの距離でのスナップもまずまずシャープ。上図参照
(風船を持っている人ムッとしているわけではない。と、思う)

目測での近接も一度データを取って頭に入っていれば失敗無いようだ。
この失敗無しというのは、はなはだ心許ないのだが
実はこの3コマしか撮ってないのである。
ともあれ、すごく深い被写界深度で周辺部に破綻がないのは保証します。

スナップに十分な深い被写界深度近接性能は上々では?

* この記事を最初に造ったとき、すぐにzorki3で続けて試写をしに飛び出すと町をあげてサンバパレードであった。

なんでこんなところでサンバなのか小一時間問いつめてみたいところだが、せっかくの半裸のおねいさん達のスナップはしっかりした最新一眼レフで押さえた。(といっても30年前のカメラだが)

上のどうでもいいコマを撮ったあとフィルムをゾルキーに入れっぱなしで一夏過ごしてしまい、一昨日現像してみると真っ赤っかになってしまっていた。
ちなみにパトローネに入っていた残りの数コマはさほど変質していなかった。

実は、フェドにもフィルムが入れっぱなしであり、未現像。
なのでもしかしたらまた更新するかも知れない。

参考程度に、ピントを視認しながら計った鏡胴の数字と距離の関係も記しておく。フィルム面から
2-220mm
4-280mm
5-320mm
8-430mm

いずれ、方法を変えて(ちゃんとフェドで)計り直してみたいが、カタログ上理論的な数値で決められた距離と倍率、フェトの個体差も考えるとこのメモリ表示、目安程度にしかならないのかも。

それにしても、この実測値と鏡胴の表示があまりにも違ったため判断を誤ったが、鏡胴の表示はフェドマウントの場合の単純な距離(cm)と倍率の表示だったわけだ。

写りや価値はともかく、比較的初期のライカ判マクロレンズとして産業考古学的価値があるレンズと思うがいかがなものか。

ようするに、話の種くらいにはなると思います。

 

03/10/01

マイクロフェドを検証する

絞り羽根は10枚、肉厚の鏡筒で重量175g(ちなみに標準レンズが115g)、最伸長はおよそ62mmであった。おそらく標準インダスター10と同じレンズが填っていてヘリコイドを伸ばしてマクロ域を稼いでいる構造ではないだろうか?

 

このマクロレンズはごく最近まで幻のレンズの1つだったはずだが、このところよく見かけるようになった。
まさか再生産というわけじゃないと思うのだが、最近e-bayでよく出てくるのだ。
e-bayではソ連製のこういう、いままで知られていなかったようなアイテムが湧き出てくるような事はめずらしくないが、このマクロもe-bayに出るようになって初めて存在を知った人も多かったのでは?

カメラの距離計に連動しない目測仕様だが、肝心の距離表示が意味不明であった。
先端に絞りの表示。中段、とその下の数字があるのだがけっきょく距離指標の関係はよく判らなかった。おまけにこの上段と下段の間のローレットにはピン(?)を差し込むような1.5mmほどの小さな穴がある。いったい何のためだろうか?

鏡胴の表示だが、上段(先端部)は絞り、中段には「d」ないし「p」とあり、以下の数字が刻まれる。15,17.5,20...105。

下段、鏡胴を最も縮めたところに「S」と「M」ないしは「W」とあり、伸ばした状態から2,2.5,3,4・・・10,12,15,20。

参考までに、相対する数字は最も縮めたところから
20-105,
80-15,
65-12,
55-10,
45-8,
35-6,
30-5,
25-4,
20-3,
17.5-2.5
15-2が最も鏡筒を伸ばしたところの表示である。

 

試写

結果を先に言いますと、一生大事に持っていよう。そう決めました。

Hさんから「あのレンズは無限がでるのかね?」というお電話があったのがきっかけだが、さらに、その電話のきっかけは写真工業/2003/7月号の根本泰人氏の記事だろう。

この記事では残念ながら試写がされておらず、「15cmまで近接・・・最大1/2倍の接写」「無限遠撮影は可能...」とあったのだ。うーん、見たのと違う(といってもこちらはライカマウントでの確認なんですけど)

なるほど、そういえばこのレンズ、内容的にはどうなのか?
手に入れてから(上記を書いてから)約一年、ようやく試写をした。

 

撮影方法

フランジバックは違うが、とりあえずフェトではなくライカマウントでおこなった。
結果、最近接距離は約22cmだった(アバウトにスケールを当てただけだが)。

今回、MIRANDA製、5x,15xのクリティカルフォーカシャーにピントグラスを張り付けてフォーカスを見た。今までのエキサクタファインダーの比ではない程視認性は楽に、5倍なので精度も上がったはずだ。

なぜフェトでしなかったのかというと、まずピントを視認したかったことと、実用ではライカマウントで使用することになるからだ。
この場合、 無限遠はまず出ないことになるのだがどのあたりまで使えるのか?実用性はあるのか?をメインに検証したのである。

以下はf3.5から、f6.3、f18 で、布製のメジャーを引っ張って写したもの。
この 画像じゃ小さい上解像度が低くて判らないが、この場合22cmのところに合焦している...。最小絞りf18では被写界深度が2cm前後。

 

1/2x(最近接)での開放とf18(最小絞り)の比較

描写は想像以上、すばらしい!ちょっとのクモリもなんのそのである。
クリックで 最大化する(file size 52k、59k)

f35-thumb.jpgf18-thumb.jpg


下図:左からf3.5、f6.3、f18
絞り込むと若干コントラストが上がるように見える。
中途半端に絞ってもあまり画質は変わらないようだ。最小にするとコントラストもシャープネスも上がったように思う。よく言う絞りを小さくするとおこるという回折現象は、見たところあるんだかどうだかわからん、である。
近接時の露出倍数だが、数うちゃあたる式でやったが、この試写では2段くらいの差はネガだとプリントに反映されなかった。

 

鏡筒の数字の関連性はさっぱり?で意味不明だったのだがソ連製カメラ系掲示板にあった書き込みをコピペしておく。

以下コピペ。

 1:20/105 /48x72
 1:15/80 /36x54
 1:12 /65 /28.5x43
 1:10 /55 /24x36
 1:8 /45 /19x28.5
 1:6/ 35 /14x21.5
 1:5/ 30 /12x18
 1:4 /25 /9.5x14.4
 1:3 /20 /7.2x10.8
 1:2.5 /17.5 /6x9
 1:2 /15 /4.8x7.2
「つまり、10の数字にセットすると、35mmフォーマットの10倍の大きさの被写体が写し込まれる訳。真ん中の数字が何なのか、説明しなくても分かるよね?

たとえば、「2」では、「15」センチのフィルムディスタンス(フィルム面からの距離)で
「48mmx72mm」の被写体が写せる訳ですが、
f3.5の場合は14.9〜15.1センチ、f18の場合は14.6〜15.5センチの
範囲内で合焦する、という具合。」

ソビエト連邦カメラ http://cccpcamera.myhome.cx/RussianCamera/Lens/FED19/FED19Manual.htm にこの同内容のマニュアルが電子化されている。ということであった。

 

02/06/07 - 06/26 ver.1.0
03/07/04 ver.2.0 03/10/01 試写追加

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