Fedの 交換レンズ は結局使えるのだろうか?

フェトのレンズは互換性が無いからボディーごとに調整が必要だとされている。
たしかに、ねじ込んだレンズは回り過ぎ、つまりレバーがファインダーまで回り込んだり、逆にそこまで回らないといったあんばいで、せっかく珍しい交換レンズが手に入ってもマウントごと、マッチングでなければペアの真空管と同じで使えないのである。

故に、オリジナルのフェトはやはり実用性は乏しいと言えるかもしれない。
マウントをゾルキのモノに交換して...、とかいう事も聞くが、まあ、戦前の希少なフェトはいまさら手を入れてしまってオリジナルを壊すことも無いと思う。
何せ60数年前のカメラだ。もう道具としての役割はリタイヤさせてあげてもいいかもしれない。
というのも
非常にレアなものを別として大概フェトは安物だが、ある意味同年輩のライカより貴重なんじゃないだろうかと思うからだ(資産価値はゼロだろうけど)。

集まったフェトの交換レンズについていくつか書き記しておきたいと思う。

contents

fed macro 50mm f3.5 + fed1:3,5 F=50mm/Industar-10 + 28mm f4.5 + fed1:2 F=50mm

 

fed1:3,5 F=50mm Industar-10

向かって右のインダスター10は、距離表示に注目したい。みにくい画像だが12時付近に最短の1mの表示があるのだ。どういうことかというと...

左、黄色のフィルターの入ったレンズは通常のFED レンズ、最短距離、無限遠のストッパー位置が約180度なのだが、右のレンズはほぼ360°全回転する。
最短距離は1mで同じだが、ヘリコイドの回転量が違うのである。また、360°のほうはねじ込みフィルターは入らない。

 

 

後期のfed1:3,5 F=50mm Industar-10

ストッパーの金具がプレス板になっているほか、コーティングが施され絞り表示もモダンな数字系列に。
フランジバックはライカマウントになっている。

28mm f4.5

このレンズはけっこうレアである。 ヘクトールコピーというヒトもあるが詳細は未だ不詳だと思う。
やはりレアなf6.3のFed100mmの中望遠より難しいかもしれない。
写りや価値はともかくごく初期のライカコピーレンズとして産業考古学的価値があるレンズだろうと思うがいかがなものか。

28mmf4.5は沈どうの標準レンズを畳んだくらい、非常に薄いパンケーキレンズで、彫刻が荒く無骨な造りだ。
傾斜カムで距離計に連動するようだ。
レンズの被写界深度表示では、f9でほぼパンフォーカスになるのでカメラのマッチングはあまり気にしないでいいのだろうが、このレンズがピタリと付くボディーはまだ見つからない。(たぶんないだろうが...などと書いたとたんにH氏のFed-Sがなぜかぴったりといい位 置にはまったので一応書き留めておく。
ところで、このレンズは結局使わずじまいでSさんのところへ若干の札束と交換された。
Sさんにメンテを施されて実写された作例を見ると、なかなか良い仕事をするレンズだったようだ。

 

00/10/04 ver.1.0
03/07/04

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