1991 Lens + KIEV FIVE CONTENTS + next 1991 Jupiter -11

JUPITER 9 LENS
5group-4elements f stop : 2,2.8,4,5.6,8,11,16,22
1.5 m - ∞ , 360 g

#91は意味深な数字でもあるのだ。1991年(平成3年)12月21日、ソ連に代わる共同体創設を協議するソ連11共和国の首脳会議が開かれ、11共和国を創設メンバーとする独立国家共同体の設立と、ロシアなど4共和国による核兵器などの統一管理などで合意、ソ連は正式に消滅した。という年で、1991年製とは最後のソ連製と言うことになる。

というわけで91年製には格別にこだわりがあるのだが、この個体はLOZM製で、91年製を示す"910万代のシリアルナンバーを持つ。
といっても1991年以前と以後で品質が大きく異なるわけではない(と思う)。
製造年代もそうだが、このレンズの大きなポイントはMCと言うことであった。ちょっと高かったがいままでキエフマウントのジュピター-9では聞いたことがなかったから、「そんなことを言ってる場合ではない!」と大急ぎで即時購入ボタンを押してしまった。

「MC レンズである」と言うふれこみで購入したのだが、レンズ自体にそれらしき刻印がないのである。
見ると、付属の Rostov製ファインダーにMCの刻印があるのだ。

これは正直「ヤラレタ」と思ったが、勝手に勘違いしたのだ・・・しょうもない話ではある。
負け惜しみすると、この「 MC 」ファインダーは文句が付けようのないもので、クリアーでそれはそれは素晴らしい。が、組み立てがまずくちょっと水平から傾いていた。

もうひとつ残念なのはパスポートが付いていなかった。
出荷時期の特定が出来ないので残念でならないが、とまれ今のところ1991年製ジュピター-9は「最新」にして最後期のジュピター-9だろう。

 

ディテール 《詳細》detail.


80年代後半以降のジュピターはまだ市場には少ないようだが、いずれどっと出てくることもあるのではないだろうか。

ジュピターの中望遠は85mm f2 のJupiter - 9が人気独占といった感もあるが
世間的に 確かな評価もある一種のブランドレンズだから当然と言えようか。
ポートレートにスナップに遠近感とボケ味を活かした描写がシステムカメラを使っているのだ!と実感できる、質感共々非常に好いたらしい定評あるレンズで、いわゆる万能レンズであり、ソ連製レンズの基本の一本だろうか。
*距離はメーター表示、絞り羽根は15枚、ボケは全域でまるい。
コーティングはよく見られる深いマゼンタやバイオレットではなく白色でレンズも黄味は帯びていない。

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