1991 Lens + KIEV FIVE CONTENTS + 1991 Jupiter -9

JUPITER 11 LENS
3group-4elements f stop : 4,5.6,8,11,16,22
1.4 m - ∞ , 280g

 

ジュピター-11は90年代にはとっくに姿を消しているとする説があったが、これは1991年を示すであろうシリアルナンバーの持ち主だ。この個体はKAZAN製で、91年製を示すようなシリアルナンバーなのだがこの銘板の彫刻は細い黒色
全体の感じから見ても91年製には見えにくい。 いずれにしろ事実は現物のレンズの数字だけなのだが。
もしかすると 彫刻ミスかも知れないし、やはり91年製なのかも知れない。ソ連製ではこの手のミステリーは尽きることがない。 1991年製となると1990年製、1989年製もありそうだが未見、飛び地のように1991年が現れてしまった。
しかし、最近見つけたジュピター-12の1990年製、先のページの1991年製ジュピター-9などなど、いままで知られていなかった年代の製品もあったわけで、 www.commiecameras.comでブラックフィニッシュの#75万代が紹介されていることもあり、まだまだ知られざるジュピター-11もあるのだろう。

*メーター表示、無限遠から100m〜1.5mで、絞り羽根は12枚、ボケは全域でまるい。コーティングは普通 によく見られるアンバー。

試写

一眼レフと違ってレンジファインダー・カメラで望遠を開放で使いたいとはあまり思わないのですが、開放で安心して使える目安に、距離計の有効基線長がある。
キエフ-5の記事中にもあるので計算方法は参照されるとして、135mmf4の場合60数mmの有効基線長があれば安心出来そうだ。
いろいろ算出方法はあるようなので、ここでの計算方法や算出の値については保証の限りではないが、実際の使用ではキエフ/コンタックスではこの数字でも楽々クリアしていると思う。
同じ計算方法ではミノルタCLE クラスでもf11程度に絞って使えば安心と言うことになる。

鏡筒内はつや消し塗料が塗られているが「てかてか」でまったく効果が無く(と言い切って良いだろう)、近接時、つまりヘリコイドをいっぱいに伸ばした状態ではフードで遮光云々以前の問題で逆光線にはひとたまりもなくど真ん中にフレアがでてしまうのだった。(右:fig:2)

この手のレンズとカメラでは開放で使う事はあまりないと思うが、秋の日はつるべ落とし、夕方になってあっという間に暗くなってしまった。
なので下図は開放である。
開放でもさほどコントラストは低下した感じはなかったがセオリー的には2段ほど絞ったf8辺りで最良の画質が得られるのだろう。

レンジファインダーの135mmレンズはパララックスとカメラブレもあって使うのが難しいのを再確認。一眼レフを常用していると、使いにくさと実際に目で像を確認できないもどかしさにあらためて驚く。ファインダーは目安程度と判ってはいるのだが...。
修練を積んで熟達するのも趣味としてはいいかも知れない。

fig:1 fig:2

渦巻くような背景ボケ、豪快。
テレゾナータイプは仲間が多いので、いろんなレンズで撮り比べなどすると楽しめそう。135mmは安いし。

 

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