Cmapm - START
冷戦終結へのきっかけともなったキューバ危機の頃に生まれたSTART、奇しくも、ソ連崩壊直前に始まる米露間の戦略核兵器削減条約もSTART(START: Strategic Arms Reduction Treaty)であった。 こじつけだが。ゼニット=プラクチカとすると、スタート=プラクチナという位置づけに見える。
スタートはプラクチナの仕様をほぼそのまま踏襲したみたいだ。
プラクチカとプラクチナは、同じ祖先を持つが性格はかなり異なりプラクチカ=ゼニットは大衆向けに、スタート=プラクチナはシリアス・フォトグラファー向けになるだろう
同様な位置づけでスタートとゼニットが有るのでは?と思う。レンズの自動絞り機構やボディー内蔵のフィルムカッターなど、プラクチナにエキサクタのエッセンスを盛り込んだユニークなスタートだが、高級感と精密感はソ連式にオミットされてチープ、大味な印象だった。
1960年ディスコンティニューのプラクチナとは入れ違いのように現れて母なるドイツカメラ、プラクチナの栄養を吸い取ってしぼませてしまった異形のモンスターベビーのようにも見える。
ふと、気がついたがミランダと同じスペックではないか!うーむ
ファインダースクリーンを止めるラッチもプラクチナを踏襲。
プラクチナのファインダースクリーンは一度取り出してしまうと入れ直すのは少したいへんだが、スタートの方はものすごくたいへんである。
交換ファインダースクリーンがあったとは聞かないが、きっとあったんだろう。たぶん。マウント口径に較べるとプラクチナのファインダー、プリズム、ミラーも小さく今の目では貧弱に感じるのだが、スタートはさらに小さく貧弱、ゼニットそのままのようだ。
圧板はガラス製で、ここだけ何だかゴージャスだ。。
レンズは専用
ソ連製レンズのコーティングはいつ見ても美しい湖面を持つ!
役に立ってないような気もするが、実にきれい。レンズの絞り込み機構はエキサクタに見られる*-1PADとほぼ同じ、ずばりコピーだろう。
コピー故に日本製初期のオートキナータイプのトプコン、ミランダよりよっぽどしっかりしている。一種の2段押しシャッターで、シャッターボタンを押すと最初に絞りが閉まり、その後シャッターボタンのプレッシャー域にまでロッドが伸びる。(と、字で書いても分かりにくいですが)
マウントはプラクチナ風スピゴットマウントでペンタコンシックス・マウントとの類似性は指摘されているところだ。
内径は40mmちょっと、エキサクタと同じくらい。このヘリオス-44の最短は0.7m。
スタート用レンズは計画倒れになり世に出なかったとされるのでヘリオス-44のみとなるようだが、伝家の宝刀、M-39アダプターでゼニットマウントと互換する。
Lマウントも勘定に入れれば膨大な種類のレンズが利用できることになる。
総生産#76,500台、生産期間も1958-1964の6年間というからソ連製カメラのなかでは短期製造、少量、希少なはずだが、中古市場には潤沢?らしくよく見かける。しまい込まれることが無く回転率がよいのだろうか?どちらかというと*-2めずらしくないソ連製カメラのひとつで、見た目も大味、今ひとつ食指がうごかなかったが初期型 KIEV-10といっしょに出ていたのでちょっと購入してみた。
久々にゼニット系のボディーを握ったが、やはり大きい...。
例えると(たとえがマイナーすぎるが) トプコンRくらいだろうか。しかし、柄に較べると重量はそうでもないし持って歩くには苦にならないのでは?という感触。今、ソ連製は値段がかなり下がっていて、スタートもたいへん安く取り引きされているようだが、買った後でよくよく見たら相場の倍近く支払ってしまっていた...。
このスタート、おそらく組み立てのミスだと思うが、レンズの焦点があっておらず無限遠が出なかった。
早速クレームを付けたが対応はとてもよい。
最近のロシア、ウクライナのカメラ屋はしっかりしていてこの点は安心できるが、検品が甘いのだなあ。箱は何種か有るようだ。
このようなハニワ色の地味なモノもあるが、真っ青なきれいな箱も。
パッケージ自体はよくできていると思う
バリエーション
外観のバリエーションはいくつか知られていて詳しいサイトもあるみたいだが、ここでもちょっと書いておくと、下図は#590xxxxのとあるタイプ。
e-bayのもので30ドルでも買い手がついていない。
シリアルナンバーは、ボディーはソ連製の定石通り、年号と生産数積算、レンズは積算のようである。年間1万台程度は生産されていたのだろうか?
やはり最若番を探してやらねばなるまい。on e-bay
巻き上げレバー、巻き戻しノブ、カウンターにバリエーションは集中しているようだ。
知る限りでは。巻き上げレバーが2種:カウンター2種巻き戻しノブ:2種この他、ラテン文字表記、キリル文字表記というバリエーションも。
*-1 PAD*=Pressure Automatic Diaphragm lens 、の略語。造語である
*-2 絶対数は多くないとすると、いずれ市場から払底するのであろう。format 35-mm;Russian Reflex Camera with system ( stat rmount to M39 ).
lens Helios 44 : f2/58mm: diaphragm scale from 2 to 16, focusing 0.7 m to infinite;
shutter speeds "B", 1, 1/2, 1/4, 1/8, 1/15, 1/30, 1/60, 1/125, 1/250, 1/500, 1/1000;
mechanical selftimer; : 935g(with lens)1958-1964
KMZ(this body #6110xxx lens#0055xxx)パスポートによるとマッチングである。
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