オリオン-15 28mm f6
4group-4elements : 1m-∞
まずはイレギュラーな使い方から、この試写はFED
1b NKVDでおこなっている。
わずかにライカマウントとフランジバックが異なる禁断の戦前fedマウントで使えたらもうけもの、ということでf11まで絞ってパンフォーカスでの試写。
フィルムはコニカの新しいセンチュリアスーパー200をつかった、このフィルムは安い、こんな安くていいのか！？というくらい安い。
コニカのフィルムは日野工場で全てつくられ世界中に輸出されているそうで、輸入物の安いコニカフィルムなども中身は日本製、つまり逆輸入されているというのだ。
ロシアでのシェアも大きいらしく、このレンズには正しいフィルムかも知れない。
FED NKVDはライカマウントと互換しないが広角ならばパンフォーカスにして使えばもしや？!、と思ったが結果はやはり厳しかった。
さきに結果を言うと、かなり後ピンであった。
レンズ鏡胴の表示ではf11ならば、1.3ｍからパンフォーカスなのだが、この試写ではヒットラーみたいな人形にすら合焦していない。
後ろのフェンス付近からまずまず見られるが、ピントがバキーンと来ているのはさらにそこから後ろのようだ。
開放ではまるでだめだ。
残念ながら全然ピントが来なかった。ｆ11まで絞って、サービス判ならようやく使えそうだが、まだまだ後ピンでぱっとしない。
もっとも、フェドのフランジバックは一定ではないのでこの試写の結果の限りではないことも留意したい。
しかし逆光気味でもこのくらい抜けがいいレンズで、歪曲はほとんどないし、あらためて良いレンズだなあと思った次第。
もちろん普通のライカマウントに付ければピントばっちしだ。
これは普通にライカマウント機での試写。
暗部は潰れているようにも見えるがこれはPC上でのことだ。
トーンは結構豊かで、どピーカンのコントラストのきつい条件でもびっくらこくような破綻はなく、ソ連製らしい？力強い描写であると感じた。
ただしフレアは如何ともしがたく全体的に滲んだようになった。
これはこのレンズの特性だろう。
試写は逆光に弱いという記事が多いオリオン-15なので、「じゃあ、どんなもんなのか見てみよう」くらいの気持ちで、さほど気を遣わなかった。
とはいえ、フードとMC-UVフィルターなど最低限の対策はしてのことだが、今のところ異常なフレアは見られない。よく言われたオリオン-15の「フレア」はレンズや鏡筒よりもカメラ側の方が問題なのじゃないだろうか。
それにしてもカメラ関係の掲示板などでは、このレンズについてよい話を見ることは少ない。目が肥えてしまって、この描写能力では現代では通用しないとと感じる人が多いのか、あと、個体差やｆ値についてグダグダ文句を言っている人が多いようだが、単なる憶測での発言なのか、それとも本当にダメな個体が多いのだろうか？オリオン-15は何本も見ていないし、今だに酷いものに当たったことがないのだが・・・。
もっとも、Lマウントのの28mmレンズなんてオリオン15しか知らないのだが、
＾-＾) / ﾏ、ｿﾝﾅﾓﾝﾔﾛ
強い光線下で滲み（フレア）が出る。
パンフォーカスで使うなら開放では画質もパッとしないので絞った方がいいです。
じつはこういった滲みはソ連製を使うまで知らなかった。
とても奇妙な現象に思え「いったいこれは何なのか？」と悩んでいたが、古いレンズには普通に見られるようでめづらしい事ではないのだった。
なぜか被写界深度指標に最小絞値のf22が書いて無いが、これはf16で最短１m以下からのパンフォーカスになるので必要無いと言うことかもしれない。
ちなみにf６開放では２mと少しからのパンフォーカスが得られ「写るンです」のようなラフな使い方が期待できるが開放ではいまいちだった。後ピン気味。
フィルターは40.5mm（キエフマウントは49mm)。
外道な使い方だが、レンズのフィルターリング外枠（ピントリング側）は49mmくらいでタクマーの28mm
f3.5用メタル角フードが以外にぴったりでケラレがない。（もしケラレてもトリミングすればいいじゃん、という人向きだが）
フィルターリングが回転すると角度が変わって必ずケラレがでてしまう角形フードなため、細かくピントを合わせるようなシチュエーションには不向きながら、パンフォーカスで撮るのが前提なら効果的なフードだと思う。
格好もなかなか良いのでは？どですか？
キエフのために
パンフォーカスの目安
キエフにビオゴンやテッサーは非常にダサイので、ここはひとつ見つけたら高価でも無理をしたいところだ。ただ、キエフ（コンタックス）マウントは目測のレンズなので被写界深度目盛りがないのでちょっと具合が悪い。
それにしても、なにゆえ被写界深度表示までが省かれてしまったのか？小一時間以上問いつめてみたいものだ。
参考までにオリオン15の被写界深度をメモしておく。真ん中太字が合わせる数字。
ｆ16=1.7m（1m-Inf)
ｆ11=2.5mのちょい前あたり(1.3m-Inf)
ｆ 8 =3m(1.7m-Inf)
ｆ 6 =4m(約2m-Inf)
までピントが合うが、実際プリントを見た感じだと絞りは最小くらいにばきっと絞った方が結果が良かった。遠景より近景が良く撮れるように思える。
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